離婚の危機に瀕してるあなたへ②目を見つめると恋が生まれる

目を見つめると恋が生まれる

■超能力(テレパシー)の実験

1980年代の終わり頃に、マサチューセッツ州クラーク大学のジェームズ・レアードは、風変わりな実験を行うという触れ込みで参加者を募った。内容はテレパシーの存在を確かめるという物で、知らないもの同士の男女が同時刻に研究室に集まった。研究者はテレパシーの実験に先立って任意に男子2人を組み合わせ、お互いの間に絆を作るために必要だからと説明して、数分間あ互いの目を見つめ合ってもらった。その後で2人は別々の部屋に連れて行かれ、1人は単純な絵を見せられ、もう1人はその絵を別室からテレパシーで識別する様に言われた。

実験の後でレアードはそのデータを調べたが、テレパシーが働いた証拠はまったく見られなかった。

彼は失望しただろうか。答えは完全にノーだ。実はこの実験はテレパシーとまったく関係のないものだった。テレパシーの存在を試すというのはただの見せかけで、本当の目的は恋の心理を調べることにあったのだ。

■じっと見つめ合えば好意が生まれる

恋愛というのは外見、人柄、相性、偶然が複雑に入り混じる不思議な現象だと、多くの人が考えている。だか、レアードの見方は違っていだ。彼はこの比類の無い神秘的な感情は、実はもっと単純なもので、念入りにお膳立てすれば人工的に作り出す事も可能ではないかと考えた。彼の仮説は至ってシンプルだ。恋人同士は、ごく普通にお互いの目を見つめ合う。ではその逆もいえないだろうか。男女が互いにしばらく目を見つめ合うと、恋に落ちるのでは？レアードは、それを確かめることにしたのだ。

普通は見ず知らずの相手をじっと見つめれば変な奴だと思われ、襲われるのではないかと警戒されかねない。そこでレアードは、しばらく目を見つめ合ってもらう為の口実として、テレパシー実験の話を作り上げたのだ。そうとは知らずにやってきた参加者達は、まるで恋人同士のように互いに眼を見つめ合った。レアードはそれで十分に恋心を抱くはずみがついたと考えた。

見せかけの実験が終わったところで、参加者達は自分と組んだ相手にどのくらい好意を抱いたか、アンケートに答えた。その結果は、レアードの仮説の正しさを見事に証明するものだった。参加者達は初めて出会った相手に本気で好意をまた、魅力を感じていたのだ。

私たちの思考や感情が行動に影響を与えると同時に、行動が思考も感情に影響を与えるということだ。

■長年連れ添った夫婦も新婚気分に

ニューヨーク州立大学ストーナーブルルック校のアーサー・アーロンは、お互いの目を見つめ合うと引力が生じるのであれば、夫婦に恋愛時代の様な興奮を体験させると、2人の気持ちに新たな火がつくのではないかと考えた。結婚生活の単調さを破る為に何か変わった楽しいことをすれば、互いの魅力に改めて気づくかもしれない。アーロンは実験を行い、それを証明した。

アーロンの研究では、夫婦が一緒に同じゴールを目指し、胸の躍る新鮮な活動を日常的に行っていると、愛のある関係が長続きする事がわかった。お互いに満足して幸せな結婚生活を続けている夫婦は、2人で休暇を過ごすことが多く、互いに時々、相手の意表をつくところがあり、刺激的で受け身でいるより積極的に行動するタイプである。

というわけで、スポーツ、習い事、知らない場所に出掛かけるなどの刺激的な活動をする事でいつまでも良い夫婦関係を続けよう。

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